メインストーリー
プロローグ
アバン いつかの未来
登場人物
舞台袖
(空っぽだった劇場が、人の熱気でじわじわと温まってくる。 客席は満員。期待や静かな興奮を、幕越しでもひしひしと感じる) |
|
(千秋楽だ。ここまでやってきたこと、全部出し切りたい。 緊張と不安で膝が笑いそうになる) |
真澄 |
……。 |
咲也 | (真澄くんは相変わらずクールだな。オレとは大違いだ) |
綴 |
……。 |
咲也 |
(綴くんはずっと台本を読んでるけど、この後に及んで また台詞変えようなんて言わないよね?) |
至 | ……。 |
咲也 |
(至さんもちょっと緊張してるみたいだ。 座長のオレがしっかりしなくちゃ) |
シトロン |
……。 |
咲也 |
(シトロンさんは相変わらず何考えてるか わからないけど、落ち着いてるな) |
咲也 | ……。 |
咲也 |
(大丈夫。何度もだめかと思ったけど、ここまで来られた。 やっとここまで来られたんだ) |
咲也 |
(心が震える。緊張も不安も興奮も全部飲み込んで、 胸の中のつぼみが綻ぶような気がする) |
(笑い出したいくらいわくわくしてくる。 きっと今日、オレたちは初めて満開に咲けるんだ) |
咲也 |
そうですよね、カントク……! |
綴 |
咲きてぇ。 |
真澄 |
咲かせて。 |
シトロン |
咲きたいヨ。 |
至 |
咲かせてくれるんでしょ? |
咲也 |
オレたちをーー咲かせてください、カントク! |