メインストーリー
第1幕 The Show Must Go On
第4話 はじめの一歩
登場人物
監督(いづみ)
伊助(支配人)、亀吉
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稽古場(朝)
咲也 | おはようございます! カントク! |
綴 | はよっす。 |
真澄 | 眠い。 |
いづみ | おはよう、みんな! あれ? 支配人は? |
咲也 | いつも朝食が12時くらいなんで、多分寝てると思います。 |
綴 | それ、もう昼だな。 |
いづみ | そう。じゃあ、始めよっか。 |
咲也 | はい! |
いづみ | まずは、準備運動ね。 |
真澄 | 準備運動? |
綴 | 演技にそんなの必要なんすか? |
いづみ |
公演乗り切るには基礎体力が必要だし、いずれ殺陣とかやるなら 怪我をしないように柔軟からしっかりやらないとダメ。 |
綴 | なるほど。 |
いづみ |
準備運動が終わったら、発声練習をやるから。 それじゃあ、みんな、広がってー。 |
咲也 | はい。 |
綴 | っす。 |
真澄 | ……すぅ。 |
いづみ | 真澄くん、起きて! |
いづみ | はい、それじゃあ次はいよいよ、基本的な演技の稽古を始めるよ。 |
いづみ |
初めてだし、レクリエーションの意味も込めた簡単なエチュード、 即興劇をしてもらうから。 |
咲也 | ストリートACTみたいなものですか? |
いづみ |
そう。みんなにそれぞれ簡単な人物瀬設定をつけるから、 それに沿ってアドリブでお芝居してね。 |
咲也 | やってみます! |
綴 | 了解っす。 |
真澄 | ……すぅ。 |
いづみ | 真澄くん、起きなさい! |
いづみ | ……。 |
いづみ |
(咲也くんは、昨日も見たけど、ちょっとぎこちないな、 綴くんも未経験って言ってただけあって、同じレベルだ) |
いづみ |
(やっぱり、真澄くんが段違いでこなれてる。 未経験とは思えないな) |
いづみ | はい、そこまで! 一旦止めます。また設定を変えるね。 |
真澄 | 今のどうだった? |
いづみ | 良かったよ。 |
真澄 | 本当に? |
いづみ | うん。 |
いづみ |
(咲也くんと綴くんには、なるべく色々な役をやってもらって、 得意なところを見極めよう) |
真澄 | ……すぅ。 |
いづみ | 真澄くん、起きて! |
真澄 | やる気でない。 |
いづみ | せっかくほめたのに。 |
真澄 | 適当だった。 |
いづみ | う……。 |
いづみ |
(真澄くんは上手なんだけど、全体的にこなれてるっていう以外に どこかどうとほめにくいんだよね) |
いづみ |
(今のメンバーの中では即戦力だから、すごく ありがたいんだけど……これから課題は考えていかないと) |
いづみ |
まずはみんなの特性を見極めてるところだから。 のびのびやってみて。 |
咲也 | はい! |
綴 | っす。 |
真澄 | ……すぅ。 |
いづみ | 真澄くん! |
いづみ | (前途多難だなあ……) |
MANKAI寮 廊下
支配人 | あ、監督。ちょうどよかった。 |
いづみ | どうかしました? |
支配人 |
真澄くんのご両親から連絡が入ってまして、 入団の許可取れました。 |
いづみ | そうですか。よかった。 |
いづみ | 心配してませんでした? |
支配人 |
どうでしょう。 留守電に秘書の方から一言入ってただけなので……。 |
いづみ | ええ? |
支配人 | なんだか、ドライな感じですよねー。 |
いづみ | そうですね……。 |
いづみ | (真澄くんのおうちって、どんなご家庭なのかな……) |