メインストーリー
第1幕 The Show Must Go On
第15話 専用メニュー
登場人物
監督(いづみ)
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MANKAI寮 稽古場
真澄 | ロミオ、セリフ一つ抜かした。 |
咲也 | ごめん! |
綴 |
俺のセリフの後だよな。 もっとロミオに投げかけるようにして言ってみる。 |
咲也 |
あ、それだとすごく言いやすいです! |
いづみ |
(みんなの雰囲気が変わったな。ただミスを 許しあうんじゃなくて、解決に導こうとするようになった) |
いづみ | (心配してたけど、私が思ってるよりも、みんなしっかりしてる) |
いづみ | みんな、集まって。 |
いづみ |
雄三さんのアドバイスを受けて、それぞれの弱点を克服できるように 専用メニューを組んだから、明日の朝練から実践してほしいの。 |
咲也 | 専用メニュー、ですか? |
いづみ | はい、これ。詳しくはその紙を読んでね。 |
咲也 | オレはストリートACT……。 |
いづみ |
本当ならたくさん舞台に立つのが一番の勉強になるんだけど、 この劇団ではそれも無理だしね。 |
いづみ | ビロードウェイを舞台に見立てて、なるべく回数をこなしてみて。 |
いづみ |
慣れれば、もっと落ち着いて舞台に立てるようになるし、 観客や共演者の動き、色んなものが見えてくると思う。 |
咲也 | わかりました。がんばります! |
シトロン | ワタシも付き合うヨ。 |
綴 | 俺も。勉強になるしな。 |
咲也 | ありがとうございます! |
真澄 | 俺は芝居を見ること? |
いづみ |
真澄くんは一つでもいいから、 何か好きな舞台を見つけてほしいの。 |
いづみ |
きっと芝居に興味を持つことができれば、 もっと魅力的な演技ができるようになる。 |
真澄 | アンタ以外興味ない。 |
いづみ | 同じくらい興味を持てるものを見つけて。 |
真澄 | だったら、一つだけ……。 |
いづみ | 何? |
真澄 | なんでもない。 |
綴 | この間、舞台の無料券もらったから、行くか? |
咲也 | 無料で見られる舞台もあるみたいだよ。今度一緒に行こう。 |
真澄 | 一人で行く。 |
綴 | ほんとかわいくねえな! |
真澄 | 券はもらう。 |
綴 | そこはもらうのかよ! |
真澄 | ふん。 |
綴 | ったく。で、俺は他の脚本を読むことっすか。 |
いづみ |
綴くんは自分の脚本を自分で演じてるから、 視野が狭くなってる部分があると思う。 |
いづみ | もっと色んな時代、色んな脚本家の脚本を読んで、演じてみて。 |
いづみ |
きっとセリフは言いにくいし、やりづらいと思うけど、 冷静に脚本を見る癖ができると思う。 |
綴 | 色んな脚本家か……膨大っすね。 |
咲也 |
オレ、よく図書館で脚本を借りてきて演じてたんです! よかったら、おすすめ教えますよ! |
綴 | あ、それ助かる。頼むわ。 |
至 | 俺は基礎練? |
いづみ |
至さんは決して素質がないわけじゃないのに、 基礎の部分で他の皆より遅れが出てきてるような気がします。 |
真澄 | ゲームしてるから。 |
至 | ……あー。 |
いづみ |
少しの間稽古を抜けてるだけですけど、 積み重なると目立ってくると思います。 |
至 | ……。 |
いづみ | 至さん? |
至 | いや、わかった。もうちょっと色々考えるよ。 |
いづみ | (ゲームに費やす時間を考え直してくれるってことかな?) |
いづみ | よろしくお願いします。 |
咲也 | 手伝えることがあったら、なんでも言ってくださいね! |
至 | ……ああ、うん。 |
いづみ |
(なんだか、上の空っていう感じだな。 まさか、またゲームのこと考えてるんじゃないよね……) |
シトロン | ワタシは滑舌とイントネーションネ。 |
いづみ |
今回の台詞に出てくる部分だけを抜き出してあるので、 それだけ完璧に言えるようになってください。 |
シトロン | オッケーダヨ。 |
綴 | 言いづらいとこあったら、セリフ変えるんで言ってください。 |
シトロン | オーツヅル優しいネ。でも、心配無料ヨ。 |
綴 | 心配無用っす。 |
いづみ | それじゃあ、みんな、明日からあらためてがんばろう! |
咲也 | はい! |