メインストーリー
第1幕 The Show Must Go On
第12話 飛躍のために
登場人物
監督(いづみ)
支配人
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稽古場
咲也 | おはようございます! |
綴 | はよー。 |
シトロン | モーニングダヨ。 |
いづみ | おはよう、みんな。朝練なんて関心! |
咲也 | カントクまで付き合わせて、すみません。 |
いづみ | みんなががんばってるんだし、ワタシも全力でサポートするよ。 |
真澄 | ……すぅ。 |
咲也 | 真澄くんも出てきてくれたんだね。 |
綴 | 寝てるけどな。 |
至 | おはよ。 |
咲也 | 至さん! 出てきてくれたんですか? |
至 |
うん。なんで? |
咲也 | いや、ゲームで忙しいのかと……。 |
いづみ | (あ、やっぱり、あの夜の至さんは夢じゃなかったんだ……) |
至 | 早起きするとソシャゲの体力無駄にしないからいいかなと思って。 |
いづみ | ソシャゲ? 体力? |
シトロン |
ソーシャルゲームの略ダヨ。遊のに体力ポイントを 消費するけど、時間が経つと体力ポイントが回復ネ。 |
シトロン | 寝てる間は体力が溜まりっぱなしで勿体ないネ。 |
綴 | そんなとこだけ流暢っすね!? |
シトロン | ワタシの国では一般常識ダヨ。 |
咲也 | そうなんですか!? |
綴 | 嘘だから! |
咲也 |
『ごめんごめん、ジュリアス。 次は俺がジュリアスのために走るよ』 |
真澄 | 『あんなことが何度もあってたまるか』 |
咲也 | 『見てよ、ジュリアス。もうすぐ夜が明ける』 |
綴 | 今、つっかえずに通せたな。 |
咲也 | え!? |
シトロン | スラスラ言えたヨー。 |
咲也 | そういえば、そうですね! |
綴 | ちょっとずつ、息あってきたのかも。 |
真澄 | 最低限だけど。 |
至 | 最初の一歩ってことでいいんじゃない。 |
咲也 | 良かったああ。皆さんとの朝練のおかげです! |
いづみ | (たしかにここの数日の朝練の効果は出てるのかも) |
いづみ |
(でも、これでようやく読み合わせの段階が終わったところか…… 思った以上に時間がかかりすぎてるな) |
綴 | 立ち稽古もこの調子でいけばなんとかなるんじゃね。 |
咲也 | そうですね! がんばりましょう! |
いづみ | (ここで安心しちゃうと危険かも……) |
咲也 | カントク……? どうかしたんですか? |
いづみ |
え? ううん。 それじゃあ、今日はこの辺りにしよう。お疲れさま。 |
咲也 | あ、はい。お疲れさまでした。 |
真澄 | ……。 |
MANKAI寮 廊下
いづみ |
(せっかくちょっとずつうまくいってるところに、まだまだって 怒って水を差すのも逆効果だし、どうしたらいいのかな) |
いづみ |
(みんなの意識をもっと上に向けて、 もっと頑張る気にさせるには……) |
支配人 | よいしょ、よいしょ……。 |
いづみ | 支配人、何してるんですか? 手伝いましょうか? |
支配人 | いえいえ、大丈夫です。これで最後なので。 |
いづみ | それ、なんですか? |
支配人 |
初代組の衣装とか小道具です。 この機会に一度全部整理しとこうと思いまして。 |
いづみ | 衣装とか、まだ使えそうですか? |
支配人 | いや〜、管理が悪かったせいか、こんな感じで……。 |
いづみ | ぼ、ボロボロですね。 |
支配人 |
大道具については、頼りになりそうな知人がいるので、 任せてください! |
いづみ | 本当ですか? お願いします。 |
支配人 |
衣装係は新しく募集しましょう。 すぐに見つかるといいんですが……。 |
いづみ | 色々ありがとうございます。 |
支配人 |
いえいえ! 監督と役者には 安心して稽古に専念してもらわなくてはいけませんから。 |
支配人 | 稽古の方はどうですか? |
いづみ | ようやく読み合わせが終わったところです。 |
支配人 |
そうですか…… うーん、やっぱり、初代組のようには進まないですね。 |
いづみ | 初代組……。 |
いづみ | (そっか、初代組のレベルを意識させればーー) |
いづみ | 支配人、頼みがあるんですけど。 |
支配人 | はい? |
いづみ | 初代春組の方に連絡って取れますか。 |